お名前ドットコム(以下、「お名前.com」)で取得したドメインやサーバーを、エックスサーバー(以下、「Xserver」)に移行しました。
サーバー移行となると複雑そうに感じますが、近年はWordPress簡単移行や無料独自SSLの事前設定機能など、初心者にもやさしい仕組みが充実しているのが特徴です。
本記事では、お名前.comからXserverへのWordPress移行と、同時に行う場合の多いドメイン移管の手順を、初心者でもわかりやすく解説します。実際に移行作業を行った経験をもとに、思わぬ不具合への対処法や注意点も詳しくまとめました。記事の後半では、移管時によくあるエラーについても触れていますので、ぜひ最後までご覧ください。
お名前.comからXserverへ移行した理由とメリット
お名前.comサーバーの速度・管理画面の使いづらさ
かつては安定していたお名前.comの共用サーバーでも、アクセス集中やメンテナンスタイミングにより表示速度が低下することがあります。また、管理画面の構造がやや複雑で、初心者にはわかりにくいとの声も少なくありません。
一方でXserverは、表示速度・安定性・サポートの手厚さなどで高い評価を得ています。特に近年リリースされた「WordPress簡単移行」機能や無料独自SSLの事前設定が、移行作業を大幅に簡略化してくれるのが大きなメリットです。
ドメイン管理の一元化で手続きがラク
お名前.comでドメインを取得したものの、サーバーはXserverを使っている、というケースは多いでしょう。しかし、ドメイン管理もXserver関連サービス(エックスドメインなど)に移管すると、更新時期や契約更新の手続きが一元化し、管理が格段に楽になります。
- 管理画面が一つにまとまる
- 更新費用やキャンペーンを適用しやすい
こうしたメリットを期待して、サーバー移行とあわせてドメイン移管をしました。
WordPressの移行はプラグインよりも「WordPress簡単移行」がラク
WordPressの移行方法には、以下のような代表的な手段があります。
- プラグインを使う
All-in-One WP Migrationなどの移行専用プラグインを使う方法。手順は比較的シンプルですが、サイズの大きいサイトやデータベースの扱いによってはエラーが発生することもあります。 - 手動でデータベースやファイルを移行する
WordPressのファイルをFTPでダウンロード→新サーバーへアップロード→phpMyAdminなどでデータベースをエクスポート・インポートという流れ。自由度が高い反面、初心者にはハードルが高く、相応の知識が必要です。 - Xserverの「WordPress簡単移行」を使う
近年Xserverが提供開始した機能で、お名前.comや他社サーバーで運用中のWordPressサイトを、自動的にXserverへ移行してくれます。移行元のURLとWordPressのログイン情報を入力するだけで、データベース(SQLファイル)ごと一括で移行してくれるのが大きな特徴です。
結論として、「WordPress簡単移行」機能を使うのがもっともラクです。
とくに「移行作業の経験がない」「プラグインの設定が難しい」という方におすすめです。
WordPress簡単移行のためにXserver側で行う事前準備
Xserverにドメインを追加しておく
「WordPress簡単移行」を利用する前に、移行対象のドメインをXserver側に追加しておく必要があります。お名前.comの方で既に使っているドメインを、同じドメインとしてXserverに“追加”登録するイメージです。
「同じドメインを二重に使って大丈夫なの?」
インターネット上では同時に運用されるわけではなく、Xserver側がまだ外部には公開されていない“待機状態”なので問題ありません。
ドメインの追加手順(概略)
- Xserverアカウントにログイン
- サーバーパネルへ移動
- 【ドメイン設定】→【ドメイン設定追加】
- 該当のドメイン名を入力し「追加」
この作業を済ませておかないと、「WordPress簡単移行」でURLを入力した際にエラーが出ます。
Xserverの管理パネルからWordPress簡単移行を開く
- Xserverサーバーパネルにログイン
- 下部にある「WordPress簡単移行」をクリック
- 移行するサイトの情報を入力する
入力項目は下記のとおりです。
- 移行元URL(https://example.com など)
- WordPressのユーザー名(WordPress管理画面に入る時のユーザー名)
- WordPressのパスワード(同上)
- 移行先URL(エックスサーバー上のドメインURL)
※基本的には、「移行元URL」と同じかと思います。
「移行を開始する」ボタンを押すと、自動でデータを移行してくれます。サイトの規模によりますが、数分~数十分ほどで完了することが多いです。
ネームサーバーの変更とサイト切り替え
DNSをXserverに向ける
XserverでWordPress移行と動作確認が完了したら、いよいよ外部向けにサイトを切り替えます。お名前.com側のドメイン管理画面でDNS(ネームサーバー)をXserverに向ける設定を行えば、数時間~72時間ほどで、エックスサーバーへアクセスが集まるようになります。
DNS変更手順(お名前.com)
- お名前.comにログイン
- 「ドメイン機能一覧」から「ネームサーバー設定」を選択
- 「他社のDNSを利用する」を選び、Xserverのネームサーバー情報を入力
Xserverのネームサーバー情報は以下のとおり
・ns1.xserver.jp
・ns2.xserver.jp
・ns3.xserver.jp
・ns4.xserver.jp
・ns5.xserver.jp
「設定完了」後、早ければ1時間前後で切り替わりますが、世界中のDNSに反映されるまで最長72時間かかると言われています。この間、時間帯や地域によってはまだ旧サーバーに接続されることがあり、「どっちのサーバーにアクセスしているかわからない」状態になるかもしれません。
接続先を確認する方法
https://whois.jprs.jp/で確認するとネームサーバーが変更されているので、どっちに接続しているかわかるかと思います。
「無効なURLです。プログラム設定の反映待ち」のエラーが出る場合
DNSを切り替えた直後、WordPressにアクセスすると「無効なURLです。プログラム設定の反映待ちである可能性があります。しばらく時間をおいて再度アクセスをお試しください」というエラーが表示されることがあります。これはサーバー側またはドメイン側の設定が完全に行き渡っていない状態でよく発生する現象です。
- 対処法:しばらく待つ(数分~数時間)
- 理由:DNS情報がすべての経路に浸透していない
設定を間違っていないのであれば時間をおいてから再アクセスしてみましょう。待っていれば正常表示されることがほとんどです。
ドメイン移管をするならエックスドメイン(Xdomain)へ
続いて、サーバーが終わったのでドメイン移管です。
ドメイン移管の流れ(お名前.com → Xdomain)
- お名前.com側の準備
- Whois情報公開代行を解除
- AuthCode(認証キー)を確認
- レジストラロックがかかっていないかチェック
- エックスドメイン側の手続き
- Xdomainの「ドメイン移管」ページでドメイン名を入力
- 取得したAuthCodeを入力し、料金を支払う(クレカや銀行振込など)
- 移管申請の承認
- お名前.comから届く移管承認メール内のURLをクリック
- 期日までに承認しないと自動拒否されるので注意
- 移管完了の連絡を待つ
- 通常、数時間~数日で完了メールが届く
- 無事完了後、Xdomainにドメインが移管されているか確認
Whois情報公開代行の設定を確認
移管完了後、Whois情報公開代行が正常に反映されているか確認しましょう。個人情報が公開状態になっているとセキュリティリスクもあるため、必ず「代理公開されている」ことを確認してください。Xdomainの管理画面から「Whois情報設定」を選べば設定状況がわかります。
よくあるトラブルと対処法まとめ
HTTPSでアクセスできない
- 原因:無料独自SSLの設定忘れ、有効化されていない
- 対処:XserverサーバーパネルでSSL設定を行い、DNS浸透を待つ
「無効なURL」エラー
- 原因:ネームサーバー変更直後に反映が遅れている
- 対処:しばらく時間を空ける(数時間~最大72時間程度)
ドメイン移管が止まる
- 原因:AuthCodeや移管申請承認の不備、ロック解除の忘れ
- 対処:お名前.comでロック解除とWhois情報公開代行のOFF、メールでの承認手続き完了を再確認
まとめ
お名前.comからXserverへWordPressサイトとドメインを移行を紹介しました。
移行作業中、「無効なURLです。プログラム設定の反映待ちである可能性があります…」などのメッセージが出ても、設定ミスではない場合が多々あります。慌てずに数時間待ってみたり、ブラウザのキャッシュをクリアしてアクセスを試したりすると解決する場合がほとんどです。
サーバー移行は一見すると難しそうですが、XserverのWordPress簡単移行を利用すれば、従来のようにFTPやphpMyAdminを使った手動作業が最小限に抑えられます。余計なプラグイン設定も不要なので、初心者でも比較的スムーズに移行を完了できるでしょう。
また、ドメイン管理をお名前.comからエックスドメインに切り替えることで、サーバーとドメインの管理画面が一本化され、更新手続きもわかりやすくなります。料金面のメリットもあるので、長期的にサイトを運営するなら検討する価値は大いにあるでしょう。
ぜひ本記事を参考に、トラブルなくスムーズな移行を実現してください。もし、わからない部分がありましたらお問い合わせください。