Xserverで取った独自ドメインをVercelで動かしているサイトに設定しようと、軽い気持ちで作業を始めました。本当は、wwwあり・なしのどちらでもアクセスできるようにして、最終的にはwwwなしにリダイレクトさせるつもりでした。
ところが、設定を進めるうちにVercelは公式にwwwサブドメインでの運用を推奨していることが判明。意図とは逆でしたが、安定動作のため今回はwwwありにリダイレクトする形で落ち着きました。
この記事では、そんな私の試行錯誤を交えながら、
- XserverのドメインをVercelに設定する手順
- wwwあり・なし両方からアクセスできるようにしてリダイレクトする方法
- www推奨の背景と注意点
を、これから同じ作業をする人が迷わないようにまとめています。
前提条件
この記事の手順を進めるには、あらかじめ以下の準備が必要です。
- Xserverで独自ドメインを取得していること
例:example.com
のようなドメインをXserverの契約で確保している。 - Vercelにデプロイ済みのWebサイトがあること
すでにVercel上で公開されているプロジェクトがあり、そのURLでアクセスできる状態である。 - XserverとVercelのアカウント情報にアクセスできること
どちらもログインできる状態で、設定変更が可能であること。
この記事は、この前提条件を満たしていることを前提に解説を進めます。
手順1:Vercelでドメインを追加する
まずはVercel側で、Xserverのドメインを受け入れる設定を行います。
- Vercelにログイン
Vercel公式サイトにアクセスし、アカウントにログインします。 - 対象プロジェクトを選択
ダッシュボードから、独自ドメインを設定したいプロジェクトをクリックして開きます。 - 「Domains」タブへ移動
プロジェクトの設定画面にある「Domains」タブを開きます。 - ドメインを入力して追加
「Add」欄にXserverで取得したドメイン(例:example.com
)を入力し、Addボタンをクリックします。 - モーダルの内容を確認し追加
表示された「Add Domain」モーダルで設定内容を確認し、再度Addを押します。
追加直後はドメインのステータスが「Invalid Configuration(無効な設定)」になっていますが、これはDNSの設定がまだ反映されていないだけなので問題ありません。
手順2:VercelでDNS情報を確認する
Vercelにドメインを追加すると、そのドメインを正しく接続するためのDNS情報が表示されます。これを後でXserver側に登録します。
- 追加したドメインを一覧で確認
「Domains」タブに、先ほど追加したドメイン(例:example.com
)が表示されていることを確認します。 - ステータスは「Invalid Configuration」でOK
この段階ではまだDNS設定をしていないため、ステータスは「Invalid Configuration」になっています。 - DNS設定情報を表示
該当ドメインをクリックすると、必要なDNSレコード情報(CNAMEレコード)が表示されます。
このDNS情報を次のステップでXserverに登録します。
手順3:XserverでDNSレコードを設定する
Vercelから取得したDNS情報を、Xserverの管理画面で登録します。これにより、ドメインとVercelのプロジェクトが紐づきます。
- Xserverにログイン
Xserverのサーバーパネルからログインします。 - 対象ドメインを選択
「ドメイン設定」または「DNSレコード設定」から、今回Vercelに接続するドメインを選びます。 - DNSレコード追加画面を開く
「DNSレコード設定を追加する」ボタンをクリックします。 - Vercelの指示に従って入力
- Aレコードの場合
- ホスト名:空欄
- 種別:A
- 内容:Vercelから提供されたIPアドレス
- CNAMEレコードの場合
- ホスト名:
www
(または指定された値) - 種別:CNAME
- 内容:Vercelから提供されたドメイン名
- ホスト名:
- Aレコードの場合
- 設定を追加
入力内容を確認し、「確認画面へ進む」→「追加する」をクリックします。
登録が完了したら、DNSレコード一覧に新しい設定が表示されていることを確認します。
手順4:設定反映の確認とリダイレクト設定
DNSレコードを追加しても、すぐに反映されるわけではありません。反映後は、wwwあり・なしの両方でアクセスできるようにし、最終的にどちらかへリダイレクトをかけます。
- 反映を待つ
DNSの変更は即時反映される場合もありますが、最大48時間程度かかることがあります。しばらく時間を置き、dig
コマンドやDNS確認サイトでレコードが更新されているか確認します。 - Vercel側でステータスをチェック
「Domains」タブに戻り、ステータスが「Valid」になっていれば接続成功です。 - wwwあり・なし両方を設定
- 裸ドメイン(
example.com
)とwww付き(www.example.com
)の両方をVercelに登録します。 - これでどちらでもアクセスできる状態になります。
- 裸ドメイン(
- リダイレクト先を決める
本当はwwwなしにリダイレクトしたかったのですが、Vercelは公式にwww付き運用を推奨しているため、今回はwww付きに統一しました。 - リダイレクト設定
Vercelのドメイン設定画面で、リダイレクト先を「Primary Domain」に指定します。これにより、wwwなしでアクセスしても自動的にwww付きへ転送されます。
手順5:SSL証明書と動作確認
ドメインが正しく接続されたら、HTTPSで安全にアクセスできるようSSL証明書を確認します。
- SSL証明書の発行を確認
Vercelは、Let’s Encryptを利用して自動的にSSL/TLS証明書を発行します。ドメイン設定画面で「Valid Certificate」と表示されていればOKです。 - 実際にアクセスして確認
ブラウザでhttps://www.example.com
(www付き)にアクセスし、サイトが正しく表示されるかを確認します。 - リダイレクト動作のチェック
裸ドメイン(例:https://example.com
)にアクセスしても、自動的にwww付きへ転送されるかを確認します。 - 警告やエラーがないか確認
ブラウザのセキュリティアイコン(鍵マーク)が緑色または有効表示になっていることを確かめます。
注意点
- DNS反映には時間がかかる
早ければ数分で反映されますが、最大48時間かかることもあります。慌てず待ちましょう。 - www付きと裸ドメインの両方を登録する
どちらからもアクセスできるようにしておくと、ユーザーの入力ミスやブックマーク違いを防げます。 - リダイレクト先は事前に決めておく
今回はVercelの推奨に従いwww付きへ統一しましたが、将来的に方針を変える場合は、SEOやリンク切れの影響も考慮する必要があります。 - SSL証明書は自動更新されるが、ドメイン設定変更時は再確認
証明書は自動更新されますが、DNS設定を変更した場合などは、再度有効化が必要になることがあります。
まとめ
今回は、Xserverで取得した独自ドメインをVercelに設定し、www付き運用に統一するまでの流れを紹介しました。
本当はwwwなしをメインにしたかったのですが、Vercelの推奨やCNAMEの制約などの理由から、最終的にはwww付きへリダイレクトする形に。結果的に、wwwあり・なし両方でアクセス可能にしつつ、安定した運用ができるようになりました。
同じように「wwwあり・なしのどちらで運用すべきか」で迷っている方も、まずはVercelの推奨に合わせてwww付きにしてみるのがおすすめです。後から方針を変えることもできますし、今回の手順を知っていればスムーズに切り替えられるはずです。