「リマーケティングを全ページに配信」は効果ある?ムダ打ちを防ぐ設定の考え方

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「リマーケティング、全ページに配信しています」。
そう答える企業、実は少なくありません。でもそれ、本当に意味ありますか?

確かに、リマケは一度サイトを訪れたユーザーに再度広告を出せる便利な手法です。ですが、コンテンツページを1分読んで去った人と、LPで商品を比較していた人に、同じ広告を出しても効果があるとは限りません

にもかかわらず、広告代理店に任せきりで、「配信はしてますよ」のひと言で終わってしまうケースも多いのが現実です。
その広告、本当に“刺さる場所”に届いていますか?

この記事では、

  • なぜ全ページ配信が非効率なのか
  • どんなユーザーに配信すべきか
  • 代理店との付き合い方で注意すべきポイント

を分かりやすく解説します。

「リマーケティングの成果が思うように出ていない」と感じている方は、ぜひ一度見直してみてください。

目次

「全ページにリマーケティング」はなぜ効果が薄いのか?

リマーケティングは、「一度サイトを訪れたユーザーに再度広告を出す」施策として広く使われています。ですが、全ページ一律で配信していると、広告費を“ムダ打ち”してしまうケースが非常に多いのです。

理由1:ユーザーの意図がバラバラ

たとえば、コンテンツマーケティング記事を読みに来た人と、サービス紹介ページをじっくり見ていた人では、興味の温度感がまったく違います。前者は「調査・情報収集段階」、後者は「比較・検討段階」に近い。
この2者に同じ広告を出しても、反応が同じになるわけがありません。

理由2:クリックされない広告は「スルー耐性」を高めるだけ

無関心なユーザーに繰り返し同じ広告を見せると、“広告バナー=無視していいもの”と学習されてしまいます。いわゆるバナーブラインドが進むことで、本当に狙いたい層に対しても広告効果が落ちてしまうのです。

理由3:配信対象の精度が下がると、費用対効果も激減

広告配信にはオークション形式が採用されており、「無駄打ち」が多いアカウントは入札効率も悪化します。
成果に結びつきやすいユーザーに絞った配信の方が、同じ予算でもコンバージョン率が高くなりやすいのです。

反応率を高める!効果的なリマーケティングの配信先とは?

「とりあえず全ページ」はNG。では、どんなユーザーに対して、どこでリマケを配信すれば効果が出るのか?
ここを設計できるかどうかが、広告成果を左右します。

滞在時間が長かったユーザーを狙う

まず注目すべきは、サイト内に一定時間以上滞在していたユーザーです。
たとえば30秒以上、あるいは1分以上ページを読んでいた人は、興味・関心が高いと判断できます。
こうしたユーザーに絞って広告を出すことで、「興味はあるけど決めきれなかった層」への再アプローチが可能になります。

コンバージョン直前まで到達したユーザー

たとえば、以下のようなアクションをしたユーザーは極めてホットです:

  • LPを最後までスクロールした
  • 問い合わせフォームを開いたが送信していない
  • サービス価格ページを確認した

この層は、“あと一歩”のところで離脱したユーザー。リマケで背中を押すには最適です。

特定のページを訪問したユーザーだけを対象にする

リマケは「どのページを見たか」でターゲットを細かく設定できます。たとえば:

  • LP閲覧者のみ
  • 資料ダウンロードページまで進んだユーザーのみ
  • 料金ページ・FAQ閲覧者

これらの行動は、購入意欲が明確に現れているシグナル
一方で、ブログ記事だけ読んで去ったユーザーは、まだ「学習段階」に過ぎないことが多く、無理に広告を当てると逆効果になることもあります。

広告代理店に任せきりで大丈夫?よくあるリマケ運用の落とし穴

広告運用を代理店に任せていると、つい「プロにお任せしてるから安心」と思いがちです。
しかし、リマーケティングに関しては特に“任せっぱなし”が危険な領域でもあります。

「配信はしてますよ」で終わっていないか?

代理店のレポートに「リマーケティング:実施中」と書いてあるだけで満足していませんか?
どのページに訪れたユーザーに対して、どんな広告が、どのタイミングで表示されているのか?
この問いに明確に答えられない場合、リマケが“惰性”で配信されている可能性があります。

手数料ビジネスだからこその問題点

広告代理店の多くは、広告費に対する手数料で収益を得ています
つまり、広告費が多いほど売上が増える構造。
当然、効率を上げて広告費を削るモチベーションは低いわけです。
「とりあえず全ページ配信」で広告費を回し続けたほうが、代理店的には都合がいいということも。

レポートの中身を“質”でチェックしよう

代理店からのレポートを見るときは、「配信ボリューム」ではなく「配信先の設計・ターゲティングの精度」に注目してください。

  • 滞在時間や閲覧ページ別にセグメントされているか?
  • LPとブログ記事でリストを分けているか?
  • ABテストの履歴や改善施策の提案があるか?

こうした項目がなく、「配信回数・クリック数・CTR」だけしか書かれていないレポートは、正直、要注意です。

まとめ

リマーケティングは、ただ配信すれば効果が出る万能ツールではありません。
むしろ、「誰に、どこで、どんな意図を持って広告を見せるか」まで設計して初めて、本来の効果を発揮します

  • 全ページへの配信は非効率になりがち。配信先はユーザーの意図や行動で絞り込むべきです。
  • 滞在時間やページ種別でセグメントを組むことで、より温度感の高いユーザーに的確にアプローチできます。
  • 代理店に任せっぱなしにせず、「どこにリマケしてますか?」と一言確認するだけで状況は変わるかもしれません。

広告費をかける以上、無駄な配信は極力避けたいもの。
一度、「全ページにリマケしてるけど、それって本当に意味ある?」と、立ち止まって見直してみてはいかがでしょうか。

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